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『三月ひなのつき』 石井 桃子・作/朝倉 摂 ・絵 (過去記事) +平成22年の戯言

三月に入り、女の子のいる家にはお雛様が飾られていることだろう。
この本を初めて紹介した頃は、「女らしさを押しつける」として学校で「雛祭り」を行わないよう呼びかけるパンフレットが文科省の委託団体によって作られていたそうだが、最近ではそのような日本文化の否定という非常識は是正されたのだろうか。子供の学校では、お雛様が飾られたり、雛祭りの由来についてのお話があったりする。

雛祭りは、日本の伝統文化であり、またこの本にあるように家族の歴史と繋がっていることも多いのではないだろうか。
戦争で焼かれてしまった思い出のお雛様、なかなか買えない中での高価ではないが心のこもったお雛様・・・。
私の家では、父の病状が悪化して、父母が揃って最後に電車に乗って出かけた先が御人形屋さんだったと、母が教えてくれた。我が子、つまり孫娘のための初節句の御人形を選びに行ってくれたのだ。

日本の人形作りは世界に誇るものだと思う。
何枚もの布を重ねて美しい衣装を作る色彩感覚、筆一つで微笑むような表情をつくれる技、そして小さくても本物に負けないどころか本物よりも精巧で美しいつくり。私たちは当たり前のように思っていることも、外国の人に見せると「信じられない!」と絶賛を浴びる。
このような手先の器用さや美的感覚は、人形作り以外でも、末永く日本の得意分野として持ち続けたいものだ。

また雛祭りに、ひなあられや桜餅、菱餅などを頂くことも子供達の楽しみの一つである。
クリスマスにはブッシュドノエルやパネットーネ、シュト-レンなど各国の伝統的なケーキやパンが手に入るようになったというのに、雛祭りに雛ケーキを食べ、日本の伝統的な御菓子を選ばない傾向があるというのは寂しい限りだ。
みなさん、今年は雛ケーキをやめて、和菓子にしてみませんか?

以下は、過去の紹介記事です。

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三月ひなのつき三月ひなのつき / 石井 桃子、朝倉 摂 他
 
幸せなことに私も我が娘も、初節句の時から雛人形を持っている。私の時は母方の祖母が、娘の時は私の両親が選んでくれた。どちらの時も、これと決めるまでに御人形屋さんの店内を何周もして、一番良い顔の人形を選んでくれたらしい。「自分の孫には納得のいく御人形を。」という気持ちが嬉しい。

自分の子や孫に雛人形を選ぶときは、誰しも同じような気持ちを抱くのだろう。
この『三月ひなのつき』のよし子は、十歳になるのにお雛様を持っていない。おかあさんの気に入ったお雛様が見つかるまで買ってくれないからだ。

おかあさんは、自分が子供だった頃に持っていたお雛様が忘れられない。おかあさんの祖母が、隣に住む人形づくりのおじいさんに頼んで作ってもらった特別のひと揃いは、女の子なら誰でも欲しくなるようなつくりになっている。

他にはない魅力のひとつは、木でできた箱の中に全部一式が入っていて、外箱と御人形が一つ一つ入っている内箱を組み合わせて、ひな壇を成すことだ。だから外箱の引き戸には美しい春の絵が描いてある。一つの箱に全てがきちんと収まっていて、こぢんまりとした檀飾りができるというのは、豪華な大きいものよりも愛着が沸いて好きだという女の子が多いのではないだろうか。

もう一つの魅力は「小道具一式」。私も自分の雛人形を出したときに、一番楽しみだったのは御人形よりもお道具だった。このおかあさんの小道具はとても凝っている。

 まず最初にさがすのは、内裏びなのそばにおくものです。女びなには、まるい平らな赤い箱にはいった鏡があり、男びなのためには、刀掛けがありました。それから、その外側に燭台が一つずつ。これも、かわらけに油をつぎ、灯心をいれてともす式の、古風なあかりでした。そして・・・

と小道具だけで四ページもの説明がある。
そんな素敵なお雛様だったが、一九四五年五月二十六日の空襲で焼けてしまって今はない。

 それいらい、よし子の家には、おひなさまはありません。あまり、まえのおひなさまが、おかあさんの心に美しくきざみこまれてしまったので、おかあさんは、ほかのものを、あのおひなさまのかわりにかざることができなくなってしまったのです。

そして、よし子が生まれ、毎年おかあさんの気に入るのが見つからないうちに、おとうさんがなくなり、お雛様がやってくる望みはもっと薄くなっていた。
よし子は、本当は自分のお雛様が欲しかったが、家のことを考え我慢してきた。ところが、とうとう我慢ができなくなり、おかあさんに、欲しい気持ちを言ってしまう。

おかあさんは意を決して二人でデパートに行くが、やはりなかなか気に入ったものが見つからない。休んでいる間に、おかあさんがよし子に話してくれた「あのおかあさんのおひなさまが、今のおかあさんを助けてくれている。」という話は感動的である。その話は、よし子を「もう少し待ってみよう。」という気にさせた。

そして今年もお雛様を買わないまま三月三日を迎えた。
その日よし子は、あの時買わずに待って良かったと思ったに違いない。おかあさんも、よし子にさみしい思いをさせずにすんで、ほっとしたに違いない。おかあさんからよし子へ宛てた手紙に、「三月三日 おとうさんの日に」とあるのが、じーんとくる。

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