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[C2375] 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

毎回いい本のご紹介を有難うございます。
私の感覚ではなかなか探せない本をご紹介されるので、大変興味を持って拝見しています。
これも購入予備軍として、アマゾンのウイッシュリストに追加させていただきました。
内部から見た共産国の事情、なかなか得がたい情報でしょうね。

[C2376] >小楠さん

嬉しいお言葉ありがとうございます。

この本は、本当におもしろかったです。小説のように登場人物が個性的で活き活きしていて、その上東欧の空気を伝えてくれるので、読み止めることができず、一気に読んでしまいました。
ソ連の衛星国と言われ一括りにされていた国々にも、それぞれの国柄があり、文化もあり、人々には愛国心もあったということがわかりました。

[C2379] こんばんは・・・・・

>ソ連の衛星国と言われ一括りにされていた国々にも、それぞれの国柄があり、文化もあり、人々には愛国心もあったということがわかりました。

その時代、その環境に身を置いていた者にしか感じ得ない生々しさと説得力が、Milestaさんの紹介文だけでも、じんわり伝わってきます。
著者の米原さんは50代の若さでこの世を去られたことが、本当に惜しいですね。
この著書以外にも、東欧チェコスロバキアのプラハで過ごされていた頃のエピソードは、もっと沢山あったように思えます。

Milestaさんの紹介文を拝読しているだけで、読んだ気になってしまう不思議です。

[C2380] >お竜さん

こんばんは。

>著者の米原さんは50代の若さでこの世を去られたことが、本当に惜しいですね。

そうですよね。東欧やロシアは未だに不安定な部分がありますから、そうしたところにもっと突っ込んでいって欲しかったですね。

お竜さんが書かれているように、たぶんプラハ時代のことはいろいろと書かれていたと思うのですが、エッセイだと断片的で、私は「東欧のどこか」としか意識していませんでした。この本は、物語風になっているので、「舞台」が重要で、初めてはっきりと意識しました。

>Milestaさんの紹介文を拝読しているだけで、読んだ気になってしまう不思議です。

とのことですが、なるべく驚くことやおもしろいところは書かないようにしていますので(意地悪?笑)、ご興味がありましたら是非本をお読みになってみてください。本当に読みやすいし、おもしろいです。

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『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 米原 万里

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
米原 万里 (2001/07)
角川書店
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この本に出てくる三人の女の子は、出身国も民族も性格もまるっきり違う。ギリシャ出身のおませなリッツァ、ルーマニア出身の愛国主義者アーニャ、そしてユーゴスラビア出身の優等生ヤスミンカ。彼女たちはチェコスロバキアのプラハにある「ソビエト学校」の同級生だった。

そして彼女たちのことを語るのは、やはり同級生の一人だった日本人マリ、米原万里さんである。米原さんはロシア語通訳者。国際会議やロシア要人の通訳をされる一方で、ユーモアと知性溢れるエッセイを書かれていた。エッセイのどこかに子供の頃の外国暮らしでロシア語を覚えたと書かれていたが、各国の共産主義者の子弟が通う「ソビエト学校」に通われていたとは知らなかった。彼女の父親は、国際共産主義運動の理論誌の編集をするため、一九六〇年から一九六四年までプラハに在住していたのだ。

この本は三章に分かれ、第一章はリッツァ、第二章はアーニャ、第三章はヤスミンカについて書かれている。

子供の頃のエピソードは、海外の児童文学を読んでいるようだ。学校ではどんな勉強をしていたのか、子供同士ではどんな会話をしていたのか、学校の近くにある駄菓子屋、共産主義国の文房具事情・・・子供達の暮らしがわかる。そして、子供達の会話が、大人びていることに驚く。

ませているリッツァはマリに男女のことをいろいろと教えてくれる。その一方で啓蒙映画を観た後で「マリ、レーニンって、ずいぶんいい暮らしをしていたのね。」などと冷静な感想を述べて、マリに尊敬の念を覚えさせたりする。

バスの運転手さんにまで「同志」と呼びかけ、赤ちゃんのとき毛沢東にだっこされたのが自慢のアーニャは、共産主義の理想を追っているようでいて、豪邸に住んで使用人に何でもしてもらっていた。それに矛盾を感じていないアーニャに、マリは何となく距離を置くようになる。

ヤースナとマリは政治的な問題から、お互いに親近感を覚える。片やソビエトから資本主義寄りだとして非難されるユーゴスラビア出身、もう一人は中国寄りだといって警戒されている日本出身のマリ。学校で居心地の悪い思いをしている二人は、お互いを理解し合えた。

これらの子供時代だけでも、冷戦時代の東側という未知の世界を覗くことができて大変興味深いものなのだが、大人になってからマリがそれぞれの友人を探しだし訪ねていくところに、もっともっと驚くべきことが書かれていた。

ソビエトがチェコに侵入した「プラハの春」や、ソビエトや中・東欧諸国の崩壊、ユーゴスラビアの紛争、これら世界情勢の変化が、この三人の友人やその家族たちの人生を大きく変えていた。子供の頃には知らなかった友人の父親たちの祖国での立場。プラハの「ソビエト学校」は各国の共産主義エリートたちが集まる学校だったから、エリートの子弟である彼女たちの人生は政治に翻弄される。それを考えると、彼女たちが今生きているかどうかさえ確かではない。まるで、冷戦時代のスパイ小説のような展開になってくる。

米原さんが、友人たちを懐かしむだけでなく、冷静な目で共産主義や友人とその家族たちの思想や生き方を見つめる。ある要人に、子供の頃からの知り合いでなければできないような質問を繰り出す場面は圧倒される。米原さんは、この件に関しては、どんなジャーナリストにも真似のできない環境に育ち、実感の伴った知識も持っているのではないだろうか。

誰にでもおもしろく読める本だと思うが、特に中・東欧社会や東西冷戦に関心があるけれど、あまり詳しくないという方には、是非お薦めしたい。
私は学生時代に『スターリン以後の東欧』などの本を読んでみたが、国名やそれぞれの指導者や事件が頭の中でゴチャゴチャになってしまった。その頃この本があったら、「アーニャの祖国ルーマニア」「ソビエト学校のあったプラハ」などと、少しは身近な問題として捉えられたし、頭の中の整理にも役立ったであろう。
ユーゴに関する本を何冊か読んでいる主人がいろいろと説明してくれても、民族や宗教や地域が複雑すぎてよくわからない。これも今後はヤスミンカの逸話が、少し理解の手助けをしてくれるだろう。

米原さんは昨年、五十代の若さで病気のため亡くなられている。友人たちに比べると遙かに平和な日本で暮らしながら、必ずしも長寿を全うするとは限らないというところに、運命の不思議さを感じた。

4件のコメント

[C2375] 嘘つきアーニャの真っ赤な真実

毎回いい本のご紹介を有難うございます。
私の感覚ではなかなか探せない本をご紹介されるので、大変興味を持って拝見しています。
これも購入予備軍として、アマゾンのウイッシュリストに追加させていただきました。
内部から見た共産国の事情、なかなか得がたい情報でしょうね。

[C2376] >小楠さん

嬉しいお言葉ありがとうございます。

この本は、本当におもしろかったです。小説のように登場人物が個性的で活き活きしていて、その上東欧の空気を伝えてくれるので、読み止めることができず、一気に読んでしまいました。
ソ連の衛星国と言われ一括りにされていた国々にも、それぞれの国柄があり、文化もあり、人々には愛国心もあったということがわかりました。

[C2379] こんばんは・・・・・

>ソ連の衛星国と言われ一括りにされていた国々にも、それぞれの国柄があり、文化もあり、人々には愛国心もあったということがわかりました。

その時代、その環境に身を置いていた者にしか感じ得ない生々しさと説得力が、Milestaさんの紹介文だけでも、じんわり伝わってきます。
著者の米原さんは50代の若さでこの世を去られたことが、本当に惜しいですね。
この著書以外にも、東欧チェコスロバキアのプラハで過ごされていた頃のエピソードは、もっと沢山あったように思えます。

Milestaさんの紹介文を拝読しているだけで、読んだ気になってしまう不思議です。

[C2380] >お竜さん

こんばんは。

>著者の米原さんは50代の若さでこの世を去られたことが、本当に惜しいですね。

そうですよね。東欧やロシアは未だに不安定な部分がありますから、そうしたところにもっと突っ込んでいって欲しかったですね。

お竜さんが書かれているように、たぶんプラハ時代のことはいろいろと書かれていたと思うのですが、エッセイだと断片的で、私は「東欧のどこか」としか意識していませんでした。この本は、物語風になっているので、「舞台」が重要で、初めてはっきりと意識しました。

>Milestaさんの紹介文を拝読しているだけで、読んだ気になってしまう不思議です。

とのことですが、なるべく驚くことやおもしろいところは書かないようにしていますので(意地悪?笑)、ご興味がありましたら是非本をお読みになってみてください。本当に読みやすいし、おもしろいです。

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