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『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』 ばーじにあ・りー・ばーとん・作/いしい ももこ・訳
![]() | はたらきもののじょせつしゃけいてぃー ばーじにあ・りー・ばーとん、いしい ももこ 他 (1978/03) 福音館書店 この商品の詳細を見る |
この本の楽しさ、素敵さを、上手く伝えられるだろうか・・・。絵本ならではの構図のおもしろさ、表現力、これらを文章で伝えようとするのは何と難しいことだろう。
雪国で「働く自動車」と言えば除雪車だ。除雪車なしでは、日常生活が成り立たない。大人も子供も誰しもが必ずお世話になっている。
けいてぃーは、じぇおぽりす町の「どうろかんりぶ」で働いているトラクター。まず第一ページにはけいてぃーの紹介が描かれている。
真ん中にけいてぃ-がドーンと描かれているのだが、よく見るとそれは額縁に囲われている。額縁の外には、ぐるりと小さな絵がいくつも描かれている。
上側から右側にかけて、いろいろな姿のけいてぃーの絵が九つ。それぞれに
「ひくちから 55ばりき」「でぃーぜるえんじん」「ぜんぽう5だんへんそく」「こうほう2だんへんそく」「おなじばしょで ぐるっとたーん」「ほそうどうろよう きゃたぴら」「あくろよう きゃたぴら」「ぶるどーざー」「じょせつき」
と説明が書いてある。
左側から下側にかけては、馬が五頭並んだ絵が十一。5×11=55。けいてぃーの「ひくちから 55ばりき」はこのくらいだと示している。
「どうろかんりぶ」の説明のページで周りをぐるりと取り囲むのは働く自動車仲間。
じぇおぽりす町の地図のページの周りには、町の施設-学校や駅や病院や養豚所等々がズラリ。
そんな風にして、けいてぃーと町の様子が細かく紹介される。
そして、けいてぃーが本格的に大活躍するのは大雪の日。真っ白な新雪の中、けいてぃーだけが動き出す。警察署、大通り、郵便局・・・あちこちから、
「たのみます!」
「たのみます!」
「おねがいします!きゅうびょうにんです」
「たのみます、たのみます、たのみます!」「みなみ-じぇおぽりすに かじが あります。」
と引っ張りだこ。真っ白な町の中、けいてぃーの通った後だけ道ができ、人びとが動き始める。けいてぃーだけが頼りなのだ。だから
けいてぃーは もう、すこし くたびれていました。けれども しごとを とちゅうで やめたりなんか、 けっしてしません・・・・・・・・・
やめるものですか。
そして町中に道が張り巡らされて、みんなが働き出す頃、けいてぃーはやっとうちへ帰るのだ。
同じ作者の『ちいさなおうち』が有名だけれど、こちらの方が好きな子もたくさんいるのではないかと思う。『ちいさなおうち』が「静」とすると、『けいてぃー』は「動」。雪国の子にはもちろん、除雪車に馴染みがない子にも楽しめるしかけがいっぱいだし、けいてぃーの活躍ぶりにはみんな惚れ惚れするのではないかしら・・・?
2件のコメント
[C1729]
- 2007-01-21
- 編集
[C1735] >まささん
私は子供の頃は知りませんでした。我が子は雪国育ちなので買ってみたら、とても面白い本でした。絵柄まで覚えていらっしゃるなんてすごいですね。
「きかんしゃやえもん」は私も好きでした。台詞の調子がいいんですよね。そして交通博物館に実物を見に行きました。
「きかんしゃやえもん」は私も好きでした。台詞の調子がいいんですよね。そして交通博物館に実物を見に行きました。
- 2007-01-22
- 編集
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この絵本子供の頃持っていました。
けいてぃーの車体が赤いのと、除雪部分がハート型だったのを今も覚えています。
まだ出版されているのですね。
良い本は絶版にしないで残してもらいたいです。
「きかんしゃ やえもん」も大好きでしたね。