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『新世紀のビッグブラザーへ』 三橋 貴明

新世紀のビッグブラザーへ新世紀のビッグブラザーへ
(2009/06/23)
三橋 貴明

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ライトノベル風というのだろうか、この若者ウケしそうな小説を読んだ人の感想は、大雑把にいって三つのタイプに分かれると思う。

タイプ1:政治にあまり関心がない
「何だかできそこないのアニメみたいじゃない?主人公のススムって“古代進”のパクリでしょ?自分の住んでいる地域を防衛するとかなんとか・・・“宇宙戦艦ヤマト”に似てるけど、でも舞台はアジアの一部でスケール小さいわね。」

タイプ2:テレビや新聞で政治のこともそこそこ知っている
「まぁまぁのパロディってとこね。フクシマキヨミなんていう聞いたことがあるような名前の人物が人権を声高に叫ぶ場面にはちょっと笑えたけど、中国、韓国、北朝鮮、日本が一つの連邦になっちゃうって話は荒唐無稽すぎてついていけないわ。」

タイプ3:インターネットで積極的に政治の情報を集める
「 帯には『起こりうる現実を描いたシュミラフィクション』って書いてあるけど、過去に起こった事実や今進行中の事実の記述が半分くらいを占めているわ。
“東アジア共同体”“日本列島は日本人だけの所有物ではない”という鳩山首相の理念を、中国に訪問して自らを“人民解放軍の野戦軍司令官”だと宣う政治家の主導で進めていったら、日本はこうなってしまう!
私たち日本人にとっては、ジョージ・オーウェルの『1984』よりずっと現実味を帯びた恐ろしい近未来小説だわ。」

話の筋は意外と単純で、大アジア人権主義市民連邦に住むススムが、MIKIという美少女の助けを借りて、世界と遮断された連邦の情報環境を変えようと奮闘する物語である。
〈タイプ3〉の人が読めば、これもあり得る、あれもあり得る、という状況ばかりが次々と出てくる。背筋が凍るような恐ろしい話ではあるのだが、よくここまでシュミレートして小説の形にまとめ上げたものだというおもしろさもあり、引き込まれてしまう。

だが実際のところ、作者が本当に読んで欲しいのは、<タイプ1>や<タイプ2>の人たちではないだろうか。テレビや新聞からの情報しか知らないある意味「純粋無垢な」人たちへ、わかりやすく日本の現状を教えてくれようとしているのだ。

本書の冒頭では、ある男性がセールスマンの売り込みにきたデリバティブ(金融関連商品)の購入を断っただけで、セールスマンへの差別だとされ、人権侵害という犯罪の疑いで、人権擁護委員から家の中のパソコンや書類を押収されてしまう場面が出てくる。
普通の感覚なら、こんな馬鹿な話はあり得ないと考えるのが当然だろう。しかし、その馬鹿な話が可能になる法案が、自民党によっても民主党によっても既につくられているのだ。そのことを知らされていない「純粋無垢な」人の方が、今の日本には多いのではないだろうか。

しかし、つい最近になって、この物語が絵空事でないと、誰もが気づくような報道もあった。
中国の情報統制に嫌気が差して、グーグルが中国市場からの撤退も辞さないと宣言したのだ。
ススムの住む「情報が閉鎖されたイントラネット社会」は、彼の地ではもう現実になっている。

それ以外にもこの物語の中には、一般にはあまり報じられていない事実や真実が多く隠されている。

この物語では、架空(?)の「アサヒメディア」がプロパガンダを発信する媒体として槍玉に上がっている。しかし他のメディアやネット情報に触れているからといって、安心してはいけない。

新聞は『日経新聞』と決めている。
『天然生活』や『クーネル』(私もこれらを愛読していますが)を読んでのんびりまったり平和が一番だわ~と思っている。
韓流にはまって今でも韓国ドラマや韓国スターばかりを追っかけている。
読書と言えばコミック三昧。
インターネットでは芸能情報しか見ない。
ネットと言えば「クックパッド」と料理ブログばかり利用している。
愛する子供のために教育サイト「インター・エデュ」のチェックは欠かさない。

これらに当てはまる貴方、知らされていない大事な情報はありませんか?
一日でささっと読んで情報格差をキャッチアップできる『新世紀のビッグブラザーへ』を、とりあえず騙されたと思って読んでみませんか?


※『新世紀のビッグブラザーへ』に出てくる事実に関連すると思われる本を、拙ブログでも何冊か紹介したことがありますので紹介いたします。題名をクリックすると、記事に飛びます。

『大地の咆哮 元上海総領事が見た中国』 杉本 信行
『「南京事件」日本人48人の証言』 阿羅 健一
『「反日マスコミ」の真実』 西村 幸祐
『生活者の日本統治時代―なぜ「よき関係」のあったことを語らないのか』 呉 善花
『萬犬虚に吠える―教科書問題の起こりを衝く』 渡辺 昇一
『閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』 江藤 淳
『民間防衛 新装版―あらゆる危険から身をまもる』
『ダライ・ラマ平和を語る』 ルイーゼ・リンザー
『WiLL (マンスリーウィル) 2008年 05月号』
『赤い大地黄色い大河―10代の文化大革命』 アンコー チャン 
『日本の島々、昔と今。』 有吉 佐和子


※著者の三橋貴明氏は、情報格差をなくそうと様々な活動をされており、2月には「メディアパトロールジャパン」という新しいタイプの報道メディアを何人かの方々と立ち上げるそうです。
詳しくはこちら→「メディアパトロールジャパン」
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『神道〈いのち〉を伝える』 葉室 頼昭

神道“いのち”を伝える神道“いのち”を伝える
(2000/11)
葉室 頼昭

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私が初めて自転車に乗れるようになったところは、神社の境内である。最寄りの遊び場が神社だったからだ。小学生の頃は毎日のように、神社で缶蹴りや基地ごっこなどをしていた。お宮参り、初詣、七五三、成人式などもこの神社にお詣りした。一時期は、巫女として結婚式やお詣りのお手伝いをしていたこともあった。
それでも「神道」とはなにか? ということを深く考えることもないまま、大人になってしまった。

しかし神道のことを知ろうと思って本屋さんへ行くと、あまりの神道関係の書籍の少なさに驚く。棚に何段もある仏教やキリスト教はもちろん、イスラム教やユダヤ教などよりも少ない。(これも「神道指令」という占領軍の思いつきによる有り難くない置き土産であると思うが、その話は別の機会に。)
『神社・神様Q&A』というような本はあるのだが、じっくり読んで神道の本質を理解するというようなものはあまり見あたらない。
と嘆いていたところ、知人が葉室頼昭氏の著書を紹介してくれた。葉室氏は何冊も「神道シリーズ」を出されていて、それぞれに興味深い内容なので迷いに迷い、この一冊を読んでみた。

まず驚くのは、春日大社という世界遺産でもある大きな神社の宮司である葉室氏が、かつて医者でもあったということだ。しかし、そういう経歴を持つ方の神道のお話は非常にわかりやすく、おもしろい。これは意外なことであった。
普段「アメリカの学校ではダーウィンの進化論を教えるかどうかで揉めている。」などというキリスト教世界の話ばかり聞いていると、宗教と科学は対立したり矛盾するところが多いのでは?と思ってしまう。
ところが葉室氏の本は、読めば読むほど、神道というのは科学とは矛盾しないどころか、「共生」していると感じる。それは、そもそも日本人は自然を大切にし、自然に寄り添い、自然に感謝しながら暮らしていたからであろう。そのような太古から培ってきた日本人の生き方そのものが「神道」であるのだそうだ。

神道というのは宗教ではないんです。神道というのは、日本人が昔から伝えてきた生き方であり、人生観なんですね。

本の題名にある「いのち」についても、葉室氏は、科学と神道の考え方を両方交えながら解説してくださる。
「いのち」とは、「い」きるため「の」「ち」えであり、知恵を先祖から自分、自分から子孫へと継承していくことで、いのちが繋がる。生きるための知恵は、それぞれの民族によって違う。それを生物の進化にたとえて話す。
生物は細胞に書き込まれた「知恵」を新陳代謝によって、新しい細胞に伝えていく。それが生物の「いのち」である。生物の種類によって伝える「知恵」が違うように、住んでいる環境の違う民族には、それぞれ違う「いのち」がある、という。

この説明には、自分の体験からも共感できる。
私の住んでいたオーストラリアには、皮膚癌専門の診療所のようなものがあった。日差しの強いオーストラリアで、白人は皮膚癌になりやすいからだ。しかし長い間この地に住むアボリジニの人たちは、何世代もを経て紫外線からの防御反応が大きい褐色の皮膚に進化しているから、皮膚癌にはなりにくい。
もうひとつ、日本人は玄関で靴を脱ぐが、オーストラリア人は脱がないで靴のまま入り込むか、または最初から靴を履かずに外を歩いている。湿気の多い日本で同じことをしたら、家中泥だらけになり、不衛生で病気にも罹りやすく、まさに「いのち」が危ない。
生物学的にも、人間の暮らし方の知恵にも、それぞれの民族や住む場所によって、違う「いのち」があるのだ。

日本人は特に「いのちを伝えていく」「いのちが繋がっていく」ということを大事にする民族だという。伊勢神宮や春日大社が外国から評価されているのは、二十年ごとに遷宮し建物を新しくしながらも、ずっと続いているからだそうだ。神社のいのちも伝えられ、繋がっているのだ。
先祖あってこその自分であり、子孫のためを考えながら生きる。それが本来の日本人であった。ところが、戦後、それが途切れてしまったと葉室氏は嘆く。

日本人というのは、当たり前のことですが、日本人のいのち、日本人の祖先の知恵で体が働いて生きているのに、戦後アメリカのいのちを持って生きようとしたから、体がおかしくなってしまった。そのために、現在のような日本人になってしまったんです。それがわからないんですね。いまはもう戦後五十年以上もたっているんだから、いま目ざめてもらって、日本人の本来のいのちで生きる。当たり前のことなんですが、それをやらなければいけないんです。

そこで「日本人の本来のいのちで生きる」とは何かが、医療や神話や経済など幅広い例を引いて書かれている。おもしろいことに、科学的な知識で説得力のあるお話をされながら、何でも科学や理屈で物事を考えるのは日本人本来の生き方ではないというのが基本的な姿勢である。
自分のために生きようと我欲をもつのは本来の日本人の生き方ではない。
病気や環境破壊を人の力で治そう、直そうとするのは本来ではない。
自然のリズムとバランスに従いなさい。
不況を日本人の知恵で克服しよう。
感謝をしよう。
言霊という言葉の力を信じよう。
一つ一つの言葉に納得し、本来の日本人である自分が目ざめていく気がする。

神道について興味がある方はもちろんのこと、
「初詣には行ったけれど神道のことはよくわからない。」と思っている日本人の貴方、
「神様にお願いしたんだけど何で思いどおりにならないんだろう?」と疑問に思っている日本人の貴方、
「神社より教会の方が素敵だわ~☆」と日本人でないいのちに憧れている日本人の貴方、
「今の日本はなぜこんなになってしまったんだ!」とお怒りの日本人の貴方、
是非この本を読んで、本来の自分や本来の日本について、気づいたり考えたりしてほしい。


※お詫び
お正月ボケか、誤字脱字とおかしな言い回しがいくつかあり、一部修正いたしました。内容は変更していません。(平成21年1月16日)

謹賀新年

明けまして御目出度うございます。
旧年中は、ブログの更新が怠りがちであったにも拘わらず、たくさんの方にご訪問やコメントをいただきありがとうございました。
昨年は、記事を書くことより次の一冊を読みたい気持ちを優先させてしまい、紹介したいのにしないままにしてしまった本の多い一年となってしまいました。
さて今年はどうなることでしょう。(苦笑)
心許ない新年のご挨拶となりましたが、本年もよろしくお付き合い下さいますようお願い申しあげます。

平成二十二年元日





Appendix

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